とみこの6426(新)

虫と撮影のよしなしごと。 楽天ブログから引っ越してきました。楽天ブログは残してあるので一番最初の記事、「お引っ越しをば」から飛べます。

2%のわたしたち/世界の解像度が婦人科外来で変わった話

こんにちは。

今日は、虫屋というより、写真家というより、

この2つにとっても大切な

「自分の住む世界の解像度が上がった」お話を。

 

以前も書きましたが、虫屋やってるとふとしたことで世界の解像度があがっていくんですよ。この解像度があがるという表現はTwitterのフォロワっさんである理科の先生がよく使うんですけどね。

この方です。

 

まあ、たとえば…

見慣れない毛虫がいたとしましょう。

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何だこの毛虫は??

 

多分虫が嫌いな人はうわっ、毛虫!で終わっちゃう。

でも私は虫屋なので、なんの幼虫か気になるわけです。図鑑で調べます。ふむ、どうやらこの毛虫はオビガという蛾の毛虫らしいぞ。オビガについて調べます。オビガはこの一種で(日本では)オビガ科を形成するのか!と驚きがあります。

で、このムシャムシャ食べてる蔓性の葉っぱは何だろう?これもまた調べます。オビガはどうやらスイカズラ科のものを食べるようです。ふむふむ…。じゃあこれはスイカズラ科の何かだな…。

季節が巡り、その蔓性植物の花が咲きます。芳しいジャスミンのような香り。お、先日のこれはスイカズラで間違いないな。

こんなふうにして虫1匹でいろんなことがわっと知識として吸収されるのです。

つまり、解像度があがる。

ガラケーの写メ程度しか見えてなかったものが、一気に超高解像度の一眼レフ並みにはっきりと見えていく。

 

これってものすごく、、、。

 

快感なんです。

脳内でドーパミンが溢れていくのがわかります。

 

そんな解像度が、なんとフィールドではなく婦人科外来であがった、そんなお話。

すっごい長文になるし、月経のこととか書きます。私はホモサピエンスの女性であるから当たり前に起こることだと思ってるので何も恥ずかしいとは思いませんが、まあ、そういうお話が嫌いな人はここで読むのをやめましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いいですかね。

実はとみこ、PMSがひどくて数年前から婦人科外来でピルを頂いています。10年以上前ですが子宮筋腫でお腹切ってるのでまあ定期検診も兼ねています。

いまはいい低用量ピルが見つかり、PMSもかなり落ち着きましたが一時はひどかったです。まず、イライラが落ち着かずものを壊す。今までに電気ケトル、エアコンのリモコン、足元ヒーターなどが空を飛び犠牲になりました。そして本当に申し訳ないことをしたと思うのですが、とにかく八つ当たり。オットのヒト、よく我慢したと思ってます。で、しまいにはとにかく落ち着かずイライラが自分に向き、髪を抜いてみたりして自分を痛めつけて、最終的に自己嫌悪で大泣きして廃人化してました。

GABAや安定剤や命の母などに頼りましたがよくはなりきらず、婦人科外来へ。

試行錯誤の末、今フリウェルLDという低用量ピルを飲んで、憑き物が落ちたかのように穏やかになりました。

もちろん、ピルもお薬なのでベネフィットばかりではありません。

副作用として身体に馴染むまで不正出血があったり、血栓症のリスクがあるのでとにかく血圧には気を遣わなきゃならなくなります。

その他むくみや頭痛が治らない場合はすぐに主治医に報告しなくてはいけません。

 

そしてとみこ、これまた使い勝手の悪い身体だなぁと自分でも思うのですが、喘息持ちの偏頭痛持ちなので頭が痛いことがしょっちゅう…。

喘息持ち故に気圧に敏感なんですよね。ロキソニンはお友達。

 

今年の1月〜2月。爆弾低気圧やら寒暖差の激しさやらで頭痛が全然引かずに、(このままだとピルがもらえないかも…調べなきゃ…)と思い、脳神経内科のドアを叩きました。

CTの結果、脳に異常なし。

血圧が少し高かったので血管伸ばしストレッチとサーディンペプチドというサプリメントに頼ることにしました。あとは濃い味大好きラーメン大好きだけどもしばらく我慢。薄味を心がけて、適度に運動。あと、頭痛を誘発するチョコレートも我慢。

 

結果。

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おおおおおおおおっしゃ大勝利!!

 

と、ここまでが前置きです。

前置きで1500字超えた。だから長いって言ったじゃん。

 

で、この日はピルの休薬期間に主に黄体ホルモンの影響で頭痛が出やすい話を先生にしました。

 

すると、先生は驚くべき一言を言ってのけたのです。

Dr.「とみこさん、月経って毎月来なきゃいけないもんだと思ってませんか?」

 

…はい?

え、だって保健体育でそう習ったし…。

 

Dr.「休薬期間の頭痛はね、やはりついて回ります。もしそれが辛ければ生理とめちゃいます?それか3ヶ月に一度にするとか。そういうお薬もあるんですよね」

 

 

(´◉ ω ◉`)??????

 

とみこ「えっえっ、生理って止めていいんです?」

 

Dr.「とみこさんはお子さんを望まれてないですよね。だったら全然有りです。というか…そうだな、とみこさんはネコチャンと暮らしてますよね」

 

とみこ「はい」

 

Dr.「ネコチャン、生理ないです。避妊前でもないです」

 

とみこ「!?!!????」

 

Dr.「ご存じないでしょうが、哺乳類の中で定期的な月経のある生き物はまずはホモサピエンス、その他は一部のお猿さん、一部のネズミ、それとコウモリくらいなんですよ。全哺乳類のなかで定期的な月経のある生き物はわずか2%程度です」

 

とみこ「ええ…」

 

Dr.「だって定期的に血ぃ出してたら捕食の対象になりますよね、野生だと。そのかわり彼らには発情期があります」

 

とみこ「!!」

 

Dr.「今は、江戸時代、つまり生活が欧米化する以前に比べ女性の月経回数が多いんです。昔は少ない人で生涯に50回程度、多くても100回程度でした。世継ぎなどで子供を多く生みましたからね。妊娠、授乳期にはもちろん月経がない。でも生活が欧米化して女性が社会進出してから月経の生涯平均回数は450回になりました。」

 

とみこ「そんなに…」

 

Dr.「とみこさんも昭和生まれならわかりますよね。月経でお腹が痛いとき、我慢しなさいって言われませんでした?」

 

とみこ「言われました…それで私子宮筋腫気づかなくて緊急オペしたんです…」

 

Dr.「このね、我慢は美徳みたいなの、僕嫌いです。月経はすごいパワー使うし精神乱されるんですよ。それに今は女性の社会進出で生む回数も減ってる。少子化ってもうずっと言われてる。つまり月経の多い今、我慢なんかしてたら下手したら死にますよ」

 

とみこ「ふええ…」

 

Dr.「とりあえず今日は月経を止めてしまうお薬と3ヶ月に一度くらいにしてしまうお薬の冊子をさしあげますから、読んでみてくださいね。僕らの仕事は赤ちゃんを取り上げるだけじゃなくて、女性の我慢を少しでもやわらげることでもあるので」

 

 

 

 

 

という感じの受診日だったんですがね。

ハッとしたのは、猫に生理がないって、少し考えればわかることなのに言われるまで「ああそうか」ってわからなかったこと。

うちの子ら3匹、実家の子もいれれば4匹、最初の発情期が来る前に避妊を…!!ってあれだけはちゃめちゃ様子見してたのに。

ネコチャンの場合発情期にオスのペニスの刺激を受けて排卵するので、そう、よくよく考えれば生理いらないんですよ。

でも言われるまで気づかなかった。

こんなに毎日気遣い、大切にしてるのに。

なのに知らなかった。知ろうとしなかった。

 

Dr.の、「ネコチャンは生理がありません」の発言一つでハチャメチャに自然界についての解像度があかりました。

えー、えー。そっかー、そうだよね。

すごいなぁ。

一気に曇ってた目の前が晴れたようなスッキリとした快感。

 

フィールドじゃなくても、解像度があがる瞬間ってあるんだ…!

 

日常の些細なこと、つい聞き逃しそうなことにもそういう機会ってあるんだなぁ…。

 

こういうささいなことも聞きもらさないようにすれば、もっともっといろんなことが見えてきて面白いのではないか!!

 

そんなふうに感じた哺乳類のうち 2%に属するアラフォーの1日でした。