はい。
先日の昆虫大学2022でゲットしてきた、これ。
タガメサイダー。
タガメエキスが入っているということで、ブースではそのエキスのもとになったタイワンタガメの匂いを嗅がせてもらったのですが、
あら不思議。シークワーサーとか、ライムとか柑橘のような爽やかな香り。
帰宅してオットの人と乾杯してみました。
とみこ「えっ、これ…想像と違う…お酒の入ってないモヒートだ…」
オット「生臭さ覚悟してたけどないな…青りんごジュースじゃんこれ。そういやガキの頃タガメ捕まえたな…」
両親にも飲んでもらったのですが
「おいしい…えっこれほんとに虫のエキス入ってんの?タガメでしょ?」
とのこと。
実は虫屋を6年ほどやっていて、これが初めての昆虫食と相成りました。
というのも、昆虫食には抵抗というかトラウマがありましてね…。
母の田舎は一面の田園地帯なんです。例にもれず、母の実家も田んぼを持ってます。そこで小さい頃遊びに行くとイナゴの佃煮をよく出されたんですね。
従姉妹のねーちゃんがそれが好きで、みんなで食卓を囲んでいた幼い夏の日。
それは起こりました。
従姉妹のねーちゃんが、いつものようにイナゴの佃煮をたべていたところ。
ねーちゃん「なんか、気持ち悪い…」
と言い切るか言い切らないかの間に口からイナゴの脚をだしたままぶっ倒れるという事件が。
同じものを食べてた伯母たちはなんともない。
急いで病院に運び込まれた診断が、
「突発性の甲殻類アレルギーのようなもの」
ねーちゃんは入院。以来ねーちゃんはイナゴはおろか、エビカニも食べれなくなりました。
そんなことあるの!?と幼い私にトラウマを植えつけた、そんな事件がありまして。
昆虫食は未来のタンパク源、とかいわれてもあの思い出が頭をよぎりましてね。どうにも食べられずにいたんです。
でも今回、せっかく買ってみたタガメサイダーをきっかけに、何か昆虫食に手を出してもいいんじゃないかな…と思いました。しがない昆虫写真撮ってるオバサンですが、昆虫の生き様を見ているからには、昆虫の持つ生命力に無限の可能性は感じていたのです。
個人的に虫屋のなかでも蛾屋さんと仲が良いのですが、お蚕さんの糞茶とか、ヨモギだけで育てたフッチーことフチグロトゲエダシャクの糞茶なんかの話もしたことがあります。
(鱗翅の幼虫の消化器官というのは実に単純で、哺乳類のような腸内バクテリアなどを含んだ糞を出すのではなく、消化しきれなかった食草の屑のみを排泄するしくみになっています。)
そんなことを考えていたら、昨夜、ラオスにおいて昆虫食をリードしている蟲喰ロトワ(むしくろとわ)さんがスペースをやってらっしゃいました。
(以下、クロトワさんとお呼びします)
勇気をだしてそのスペースに飛び込み、昆虫大学の感想とタガメサイダーの感想を喋らせてもらいました。
スペースにはTokyo Bug Boysの平井さん
もいらしていて、話は昆虫食からSDGsまで幅広く発展してゆきました。
ラオスにおいては昆虫食は一般的なことなのだそうです。
クロトワさんはそのラオスで、栄養状態改善のための昆虫の養殖指導をされてらっしゃるとのこと。
これをビジネス化するのは難しく、例えば養殖工場を作ろうとすれば、地方から貧困層の方々が出稼ぎにやってくる。そのまま工場でも働く。でもその方々は昆虫食のプロではない。管理が行き届かず、質の悪いものができてしまう可能性がある。
そう、プロたちが質のいいタンパク源としての昆虫食を売り出さないと意味を成さないのです。それも継続的に。だから指導者が必要になる。
この話には思わず聞き入ってしまいました。
そして、一時的なブームで終わらせてもいけない。目新しいものが好きな日本人、はるばるラオスから良質なタンパク源がやってきましたと言われたら一時的な昆虫食ブームが起こるかも知れません。でもブームとは廃れるもの。
廃れたら路頭に迷う昆虫食専門家やラオスの労働者がたくさん出てしまう。
これはクロトワさんの望むところではない。
SDGs、持続可能な開発事業でなくてはならないのです。
それをクロトワさんは目指してらっしゃる。並大抵のことではありません。
私のようなへなちょこカメラマンから、壮大なプロジェクトに関わる方々にまで等しく生き様を見せつけてくれるムシ。
やはり無限の可能性を感じざるを得ないのでした。
最後にタガメサイダー、気になった方、リンクを貼っておきます。
タガメサイダー | 昆虫食のTAKEO|通販、実店舗、製造、養殖、研究
10年、20年……50年後。私達はどんな食生活を送っているのでしょう。
色々と考えた一晩となったのでした。