この度、私の高校時代の恩師が定年を迎え、嘱託として再就職することに。社会科の先生なのだが、定時制の先生として第二の教師人生をはじめたそうだ。
定時制は弟も通っていたが、学ぶ機会を失ってお仕事のリタイア後に通うご年配の方や、ありとあらゆる高校に落ちたヤンキー、もう一度高校に通ってみたい奥様など様々な人たちがいる。でも、あの先生ならうまくやっていけそうだ。
私は田舎のそこまで偏差値の高くない、いやどちらかといえば低い、もう通うのにはちゃめちゃ近いというだけの理由で高校を選んだ。
そこで3年間特別進学コースにいたのだが、3年間ずっと担任だったのが件の恩師だ。
この先生はユーモアがあって、なにより教えるのがとんでもなくうまかった。歴史は日本史も世界史も大好きになった。
社会科はご存知の通り、地歴公民倫理政経とある。だけど私は公民、倫理、政治経済はそんなに好きじゃなく、地学に至っては1ミリも理解せず、恩師の教えてくれる歴史だけが大好きだった。
地学の理解のしなさ具合と言ったら、フィールドワーク的なことをして地層から砂を採取し、含まれる岩石の名前をレポートにするという課題があったのだが、ちっとも見分けがつかず全部花崗岩と書いて提出したら奇跡的に1個だけ合ってた、そのくらい苦手だった。
ぶっちゃけた話、そんな好き嫌いの多いとみこは高校の3年間、成績トップに君臨し続けた。別にそんなに頭がいいわけじゃない。ただ、当てたのだ、担任を。
恩師の板書は独特で、ノートの端1/4ほどのところに予め線を引いておく。3/4には板書をうつす。
1/4はなにに使うかというと、ポロッと大事なことを言うのでそれを拾って書き留めるためだ。
私はこのノートのとり方を他の教科でもこっそりやっていた。そしたら部活に励みながらも気づいたら学年一位を取り続けていた。
そして今、そのノートのとり方は猫達の健康チェックノートに活かされている。
他人がパラパラ見ても、ひと目で投薬のタイミング、補水、ご飯の食べた量、その他今日の気づきなどわかるそんなノートになっている。
なにげなくつけていたつもりだった。けど、数ヶ月前に思い出した。
あ、これ…
先生のノートだ。と。
自分を支えていたものは消えないものだなぁとしみじみ感心して、20年ぶりくらいに恩師に連絡を取った。お元気そうだった。
そして先日LINEをくれた。定年退職して嘱託として教師を続ける、と。
尊敬できるほど頭が良くて、教え方が本当に上手で、3年間お世話になった先生。
I先生見てますか。私、陰ながら応援してますよ。学年トップを取り続けたのは先生のノートのとり方があったからです。そしてそれは今、我が家で闘病してる猫達の記録をつけるのに大いに役立っています。
定時制でも先生らしく、ユーモアのある授業でみんなを楽しませてくださいね。
私もこれからもいろんなこと学び続けますから。
※地歴公民…の地は地学ではなく地理でした。お詫びして訂正します。どのみち苦手です(40にもなって九州が9件で構成されてると思ってた人間)