実は今年の夏はノコギリクワガタを飼っていました。8月の半ばにみつけた、右の角が少しだけ欠けている子。カケオくんと名前をつけてそれはそれはかわいがっていました。
綿棒に染み込ませたシロップを手乗りであげたり、白バック写真のモデルになってもらったり、たまに挟まれたり(けっこう痛かった)。
虫の苦手なオットも眺めては愛でていました。やはりクワカブは中年男性を少年に戻す魅力があるのだな。なんて思いながらカケオくんを愛でるオットを見ていました。
カケオくんは9月の半ば、急激に冷え込んだ朝にその生を全うしました。
オットがポツリと言いました。
「空いてる植木鉢に土入れてさ、カケオの墓にしようぜ」と。
普段私が幼虫飼育してると「うえー」とか言ってくるオットなのに。
カケオが死んだのはそこそこ堪えたみたいです。
私も悲しかったけど…。
二人揃って世代は違えども(ウチは年の差夫婦です)、小さい頃にカブトムシやクワガタを捕まえた思い出がそれぞれ去来したのかな…なんて。
楽しかったな。カケオとの生活。
飼育することで食うには困らずとも繁殖相手を探す機会を奪ったのだから、完全に私らのエゴですが、カケオの存在は私達夫婦にノスタルジーと愛おしむ気持ちを遺して逝きました。
忘れないからね。